19/02/15 「天体観測」BUMP OF CHICKEN

「故郷は遠きにありて思うもの」という言葉通り、
22歳まで過ごした長野の山々を懐かしく思うようになったのは、
上京して半年後、職場のある銀座で晩秋の夜空を見上げたときのことでした。

故郷の長野では秋の深まりとともに空が澄み渡り、
オリオン座を始めとする冬の訪れを告げる星々が一斉に顔を出します。

清冽な夜の空気の中で空を見上げては「冬だねえ」と言い合うのが
当たり前の光景でした。

そんな当たり前の言葉が特別なものになったのは18歳の秋。
バイト帰りの最終バス(田舎なので夜9時24分が最終なんです)で、
幼馴染みのKくんと偶然一緒になった時でした。

二人とも無口なのでバスの中では何も話さなかったのですが、
揃って降りたバス停から歩き出す直前に、
どちらともなく夜空を見上げてかわした「冬だねえ」という言葉と、
こぼれるような星空が今も耳と目に焼き付いて離れないのは、
幼い私にとってKくんが単なる幼馴染み以上の存在だったからなのかな。

東京都大田区 SAYUMI 27歳


このメッセージはあなたのことを忘れられないあの人が書いたものかも知れません。
返事を書いてみませんか。

こちらからどうぞ