19/02/15 「木綿のハンカチーフ」太田裕美

忘れられないのは高校時代につきあっていたS先輩です。
地元で母のような看護師になろうと当時から決めていた私と違って、
「ずっとこんな町にいたらダメになる」というのが口癖だったS先輩。
「ここには欲しいものが何もないから」とだけ言い残して、
卒業後に上京してしまいました。
ちゃんと別れ話をされたわけじゃなかったので、
何度も私も卒業後は東京に行こうかなと迷いましたが、
ひとり娘だったので親のいる故郷を捨てることができず、
最後は「私は欲しいものじゃなかったんだんだね」と、
なんとか自己完結させて先輩への想いを吹っ切りました。
上京後は音信不通だったのですが、
「いつか迎えに来る」と言わなかったのが、
せめてもの優しさだったのかなとも思いました。

奈良県 まひる 47歳


このメッセージはあなたのことを忘れられないあの人が書いたものかも知れません。
返事を書いてみませんか。

こちらからどうぞ