19/02/15 「最愛」KOH+

「好き。」そう言ってしまったらこの恋は終わりでした。

 私の好きな人は、親友の恋人でした。
親友との恋を彼に相談されるたびに、押し殺した嫉妬と恋心が心の中に澱のように溜まっていきました。しばらくして、彼と親友の結婚が決まったことを、ポストに入っていた招待状で知りました。印刷物には「二人のことを知っているほたるにスピーチして欲しい」と書き添えてありました。嬉しさで飛び跳ねるような親友の手書き文字でした。

 「出席」ではなく「欠席」に丸印を付けて返信したのが、私にできた精一杯の愛の告白でした。二人から幸せそうな年賀状が届くたびに、今でも胸が痛みます。

神奈川県茅ヶ崎市 ほたる 39歳


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